嘔吐がひどい子供が患者。
吐き気が強くて水を飲むだけで嘔吐してしまうほど。
医師からはドンペリドンDS1%、アセトアミノフェン細粒20%の処方。
この場合、薬剤師としてはどうするでしょうか?
処方内容(一般名処方)
- ドンペリドンDS1% 1回0.6g 5回分
- アセトアミノフェン細粒20% 1回1g 5回分
問診結果
患者の母親と話していると水を飲むだけで嘔吐してしまうという。
この状態で散剤は難しいので疑義照会をして座薬に変更してもらうことに。
代替薬は?
疑義をする前に予想を立てておきます。
ドンペリドンDS1% 1回0.6g 5回分
添付文書を見ると、ドンペリドン坐剤は3歳を境に使用量が異なる。
3歳未満:1回10mgを1日2〜3回
3歳以上:1回30mgを1日2〜3回
今回のケースでは3歳以上だったので30mgを選択。
アセトアミノフェン細粒20% 1回1g 5回分
これは単純にアセトアミノフェン坐剤200mgでOK。
薬局内の在庫チェック
反省しないといけないことだがどっちも在庫不足。
ドンペリドン坐剤ではなくナウゼリン坐剤を採用しているのだが、1本しかない。
ただ、60mgは在庫あり。
アセトアミノフェン坐剤はアンヒバを採用しているが、これは4本しかない。
ただ、100mgはある。
さあ、どうする?
処方提案
疑義照会で提案したのは以下。
ナウゼリン坐剤60mg 1回0.5本使用 6回分
アンヒバ200mg 1回1本 4回分
ナウゼリンは使用時に患者さんに切ってもらい、半分だけ使い残りは捨てる。
理由は半分に切った残りの方が尖っていないのでおしりにいれれないため。
アンヒバは4回分に変更。
ナウゼリン坐剤の残り半分も使える?
疑義照会した時に残りの半分も使えると指摘されました。
使い方は手で温めて溶かし尖らせて挿入する方法。
病棟ではそういう使い方をしているらしい。
ただ、現実問題患者さんがそれをできるかは疑問なので今回はパスしました。
ナウゼリン坐剤とアンヒバ坐剤、使用間隔は?
基剤の性質によってどれだけ時間を開けるかが変わってきます。
結論は、
ナウゼリン使用後、30分以上開けてアンヒバを使用する。
ナウゼリン坐剤は水溶性基剤(ナウゼリンは脂溶性)。
アンヒバ坐剤は油脂性基剤。
アンヒバを先に使うと後から入れたナウゼリンの成分がアンヒバの基材に取り込まれ吸収が遅れ効果が弱まる可能性があるためです。
まとめ
ナウゼリン使用後、30分以上開けてアンヒバを使用する。
このことをきちんと服薬指導しましょう。
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